「男と女の台所」大平一枝さん

朝日新聞デジタルの「&w」でライターの大平一枝さんが
ずっと書き続けている「東京の台所」
去年番外編で取り上げていただきました。

この連載で取り上げた数々の台所が大きく加筆されたものを収録した
「男と女の台所」平凡社が2月の末に刊行されました。
私の話も再び取材を受けてまとめてくださいました。
今回まとめるに当たり大平さんがテーマにしたのが「男と女」

「もう少しあの頃の恋愛について書きたいのですが追加取材良いですか?」と
連絡をいただき、ちょっと悩んだのですが
もう四半世紀前の話だし、ま、いっか!とお受けしました。
aeeiaaee.jpg
古い話なので私の記憶も曖昧です。
取材やメールのやり取りは膨大で、ポツポツとしか出てこない時系列のない
私の話をまとめる作業は大変だったと思います。

でも大平さんは辛抱強く、割れた器のかけらをを継ぐように
愛情を持って、丁寧に繋いでくださいました。
この作業に使うエネルギー、並大抵のことではないと思います。
ちょっと変な言い方ですが、私は他の方よりも特別扱いされてる?と
思うくらいきめ細かいやり取りでした。

でも出来上がった本が届き、最初のページから読み進むにつれ
「特別扱い」なんかじゃなかった。とすぐに気付きました。
大平さんはこの本の全ての取材対象者に対して同じきめ細やかさと
同じエネルギーと愛情を持って全ての文章を紡いでいったのだと思いました。
改めて、大平さんの「凄さ」を感じました。

私も含め、全ての人が誰彼構わずこんな話をするとは思いません。
「大平さんだから」お話する気になったこと。
「大平さんだから」聞けたこと。
沢山あると思います。
その気持ちに報いるべく、大平さんが綴ってくださった文章は
私には「本当の私」以上に素敵でカッコよくてちょっと照れ臭いけど
一方であの頃の自分に「良かったね。」と言って
そっと手渡す花束の様に思えました。

自分のページは恥ずかしいけれど、本当に素敵な本です。
是非手に取っていただけたら…。と思います。
いくつかの登場人物のページでは涙が出たり
切なくなって、お会いしたこともないその人を
抱きしめに行きたくなったり…。

そしてどのお話も読み終えると何故か無性に
台所に立ちたくなります。

***