第2の故郷

私の故郷は東京です。東京生まれ、東京育ち。
日本で東京以外の場所で暮らしたことは一度もありません。
そして今も東京に暮らしているので故郷は遠きにありて…
と言う感覚はあんまり良くわかりません。

でも私の第2の故郷は間違いなくここ。
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毎年フランスに行っていてもToursに戻るのは10年ぶりくらい…。
ここは私の家族のような友人や、家族のような家族が暮らす街。
そして私の生活があった場所。
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久しぶりにToursの街やみんなに会いたくて
ぶらりと帰ってみました。
ここで暮らしていたのはもう20年も前のこと。
そして前に帰ってからですら10年も過ぎているのですから
街は驚くほど変わっていました。
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それでも古い街並みをゆっくりとお散歩がてら
私の好きだった景色を探して歩き回ってみます。
メインストリートやお店は変わっているけれど
細い石畳の道などは昔のまま。
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旧市街のひっそりとしたこの広場は私と珠のお気に入りスポット。
赤ちゃんネコだった珠を連れてよくここからロワール河まで
お散歩に行ったっけ…。
オレンジ色の可愛いネコを飼っているお家があったなぁ。

…誰にも帰ると連絡しなかったのは
いつもの日常のみんなといつもの街に会いたかったから。
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行きつけのカフェではみんな、私がほんの1週間Parisに行って
戻ってきたくらいの雰囲気で「お帰り!」と迎えて欲しい。
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そして注文なんてしなくても私の前には
当たり前のようにいつものショコラショーと優しいウィンク。
とりとめのない会話と顔見知り同士の挨拶のキス。
広場を行き交う人達を眺めながら
ゆっくりゆっくり流れる時間をあの頃のように感じたい。
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私の家。
絵はがきにもなる旧市街でも代表的な古い建物。
夏は暑くて、結構暮らしにくい家だったけど
この建物で暮らせることが嬉しくて、楽しかった。
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通りの標識も古い木で出来ていたっけ。

あの頃、なんとも思わずに見ていたこんなことが
今は宝物の様に愛おしくて大切。

私が変わったように
みんなが変わってしまうのも当たり前。
そして街が変わってしまうのだって当たり前。
それはかなしいことなんかじゃない。

沢山の時間をそれぞれに経て、色々なことを通り過ぎて
あの頃よりもちょっとトシをとった私を
あの頃よりもちょっとトシをとったあなた達が一瞬で見つけてくれて
抱きしめてくれて、涙を流して再会を喜んでくれる。
そして注文なんかしなくてもちゃんと出てきたショコラショー。

こんな時人生って悪くない、って思ったりする。
大げさかな…?
でも本当に大切で嬉しい事って私にとってはこういう類の
人と人との温もりのある繋がりだったりする。
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この日Parisは一日雨だったのにToursは晴れた。
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低い建物しかないToursからParisに引っ越したとき
Parisの空は狭いな…と思って哀しかった。
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ParisからToursにもう一度引っ越したとき
やっぱりこの空の広さが嬉しかったな…。
東京の街しか知らなかった私が初めて手にした「私のいなか」だと思った。
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あの頃、色を変えながら暮れてゆくこの空を見ながら
いつも三島由紀夫の小説の中にある夕暮れの描写を思い出しては
「私って日本人だなぁ…」と思っていた私を思い出す。

20年前の私は今の私から見るとまるで別人のように思える。
でもなんとも可愛らしくて愛おしい。(笑)

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Toursのキヨスクで私の家がモチーフになったおみやげを発見。

今はフランスに行くといつも日本での仕事のこと中心に動いてしまうけど
いつかゆっくり時間を取ってみんなと過ごすためだけにToursに帰りたい。

そうなるためにはもう少しここで走ってから。

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