2016/4/23 土曜日
オレンジの焼き菓子(4月のお菓子教室)
4月のお菓子教室も無事開催出来ました。
やっと春を満喫出来る気候になった!!とわくわくした気持で
お教室の準備をしていた夜、熊本で地震が起きました。
被害に遭われた方には心からのお見舞いを申し上げます。
私に何が出来るのか解りませんが、出来る支援をしたいと思っています。
今はとにかくずっと続いている地震が早く収束に向かうことを
祈っています。
4月の自由クラスの教室のテーマは「焼き菓子」
オーブンを使うのがイヤになる季節の到来の前に焼き菓子を
やりたい!とのリクエストで考えたお菓子です。
この季節美味しい果物はなんといっても柑橘類。
調度素晴らしいオレンジが入手出来たのでこのオレンジを使って
ぎゅ〜〜っとオレンジ風味の焼き菓子を作りたいな、と思いました。
でも普通にオレンジの果汁やオレンジの皮のすり下ろしを生地に入れても
大した量のオレンジは入らないし、風味が付く程度にしかなりません。
「ぎゅう〜〜〜っと」オレンジにするためにはどうしたら良いかしら?
…ここからいつもの如く私の妄想が始まります。
製菓材料には「オレンジコンサントレ」という濃縮ピューレがあるのですが
まだまだどこででも買えるようなものではありません。
日本の他の柑橘でも応用の効くようにこのオレンジコンサントレを
手作りするところから始めました。
20cmx20cmのブラウニー型1台に丸ごと1ヶのオレンジを入れたい!と
オレンジコンサントレ作りを始めます。
皮の苦みをどこまで残すか、濃縮させるときの作りやすさなどなど
妄想から試作を始めると思った着地点になかなか辿り着かずに
途方に暮れることがあります。
やっと気に入ったレシピが出来上がってやっと生地作り。
ここでハタとそうだ!バターを使わない生地の方が
やっと出来上がったオレンジコンサントレのフレッシュな味が
活かせるんじゃない…?と新たな妄想。(苦笑)
というわけで、今回のこのお菓子はオレンジ丸ごと1ヶが
ぎゅぅ〜〜〜っと詰まったバターを使わない焼き菓子になりました。
オイルのお菓子は味や香りの強いものと合わせるときは良いのですが
時にオイルの酸化した香りが私には気になるときがあって
今回のような果物の凝縮した味や香りを強調したいときには
ちょっと違うかなぁ…と感じたのでバターの代わりにするものは
やはり乳製品(生クリーム)にしました。
あとで思ったのだけど、サワークリームにしても良かったかもしれません。
焼き上がったらオレンジ果汁で作ったグラスをパイピングして
オレンジチップスを添えて出来上がり♪
この焼き菓子は作った日よりも2〜3日後が美味しくなります。
最初よりも何故かオレンジの風味が強くなるのです。
こういうお菓子はプレゼントに向いていますね。
オマケのレシピはショコラローズ。
お教室の数日前に打ち合わせにいらしてくださった編集さんに
ツッカベッカライ・カヌヤマのウィーン菓子を戴き
それがと〜〜っても美味しかったので自分でもウィーン風のものを
作りたくなって…。(単純!)
こちらはバターもチョコレートもたっぷり加えて繊細でほろりとした
口当たりだけど、濃厚なお味。を目指しました。
今回はセンターにチョコレートを絞り、バラの花の砂糖漬けを
散らしましたが、二枚一組にしてガナッシュやコンフィチュールを
サンドしても美味しいですよね〜。
合わせた紅茶はこちら。
Palais des theのシトロン。
柑橘繋がりでレモンの紅茶をセレクトしてみました。
これは去年Parisに行ったときに買った紅茶。
Parisで買った紅茶はそろそろ底を尽きつつあります。
旅心がうずきますが、スケジュール的に今年は難しいかも…。
基礎クラスのカリキュラムはジェノワーズでした。
全く同じレシピのジェノワーズを混ぜ方を変えて作り
みなさんに味や食感を食べ比べてもらいます。
レシピの調節はもちろん配合を換えれば良いのですが
基本的なことを理解していれば、混ぜ方ひとつでも
随分幅が出せるものです。
どっちが良いかはその用途によって変わってくるので
正解はあるようでない…。そんなおもしろさをほんの少し
感じていただければ…と思っています。
生徒の皆さん、こんな風にスポンジケーキの生地だけを
食べる事なんてないから面白い!とおっしゃってました。
…確かにそうですね。
そしてもうひとつのお菓子はマドレーヌです。
作った生地を寝かせずにすぐに焼きますがおへそはちゃんと
ぷっくりと出てくれます。
マドレーヌは混ぜれば出来る簡単さと
本当に良い状態に仕上げる難しさの両方を持っています。
初心者にとっては成功体験をプレゼントしてくれるかわいこちゃん。
上級者にとっては迷宮に誘い込む魔女的な…。(?)
美味しそうな焼き色でおへそがぷっくりと出て
香ばしい香りがするとしみじみ嬉しくなるものです。
ここ最近フランスでは伝統回帰でマドレーヌが見直されて
ソフィスケートされた味になって有名なパティスリーに並んでいます。
焼き上がりに改めてハチミツを注入したり、生地に香りを付けたり
フィリングを加えたり…とバリエーションも様々です。
どのマドレーヌも美味しいですが、私は案外保守的で
この素朴なマドレーヌが結局は一番好きだったりします。
今月もご参加くださった皆さま、ありがとうございました。
来月の自由クラスのお題目は「タルト」です。
まだ頭の中でアイデアが固まらずモヤモヤ状態ですが
教室開催ギリギリまで迷子になりながら妄想の旅に出ます。
5月のお菓子教室の日程はこちら。
お席僅かですが残っています。
ご都合付く方は是非、お顔を見せてくださいね。
またトライアルの方も大歓迎です。
6月のスケジュールも決まり次第ブログにアップします。