
6月のお菓子教室のテーブルはブルーを基調にしました。
今月のお菓子は絶対にこのクロスの上にのせたい!と思っていました。

ペーパーナプキンは淡い紫をセレクト。
淡いブルーや淡い紫の組み合わせって女の子らしくて
そしてどこかお行儀良くて、良家の子女っぽくないですか?
今月のお菓子は良家の子女にピッタリ!!なお菓子なのです。

今月の自由クラスのカリキュラムは
メロンのショートケーキ。
実は先月「メロンを使ったお菓子」とリクエストを頂いてたのですが
メロンのお菓子って案外難しくて出来上がらなくて繰り越したのが
今月のお題目だったのです。
メロンは大好きなフルーツですがお菓子に使うのは結構難しいと
思うフルーツのひとつです。
メロンは瓜科の植物独特の青臭さを持っているので
メロンの優しく上品な香りや甘さよりも青臭さが目立ってしまうと
お菓子としては残念な気分になってしまいます。
あとメロンはとてもジューシーで淡いイメージなので
ここに脂肪分たっぷりの生クリームを合わせるとすごく重く感じて
バランスが悪い様な気がするのです。
なので通常私が自分でメロンショートを作る時はクリームを
水抜きヨーグルトと生クリームのブレンドにしてバランスをとります。
そのルセットはキライじゃないのですが、ここの所ヨーグルトクリームを
お教室では結構使っているのでまたこのクリームだと芸がない…。
それにヨーグルトクリームは爽やかな酸味はあるけど水抜きヨーグルトって
案外まったりと濃厚な口当たり。
今回はもう少し口溶けの良い軽いクリームと同じくらい口溶けの良い生地…。
なんて妄想し始めたら着地点が定まらず結構苦労しました。

結局ジェノワーズからシロップ・クリーム全てを見直して
一からルセットをメロンショートのために作りました。
メロンのショートケーキにバターの香りは不要な気がして
ジェノワーズからバターを除き、かといってサラダオイルほど
軽い仕上がりにはしたくなくて…でも油脂は欲しい…と
試行錯誤の末に生クリームを加えて作ってみました。
結果、口溶けの良いとても優しい風味の生地が出来上がりました。
今までメロンショートを作る時のシロップは
コアントローが定番だったのですが
今回は白ワインとレモンで風味を付けました。
苦みが出ないようにレモンの皮から香りだけをシロップに移します。
今回味のアクセントはレモンです。
アクセントというより隠し味程度にレモンを感じられたら
メロンがますます香り高く甘く思えるんじゃないかな…?と
加えてみました。
とてもおもしろかったのは均一にレモンを広げてしまうと
隠し味にもポイントにもならなくてただレモンなのです。
それを所々にポイントでレモンを感じられる場所があると
味にメリハリが付いて急に味が立体的になります。
こういう事を体験すると人間の舌はおもしろいなぁ…と思います。
分量ではなく口に入るときのムラがアクセントになってより強く
その味や香りが印象に残ったりするんですね。
そして今回メロンショートのクリームは38%にブレンドした
生クリームを使いました。
30%台の生クリームはホイップするのに時間がかかるし
離水しやすく、保形成が良いとは言えないので
ゼラチンで固めるムースなどではなく、ナッペや絞りに使う時には
40%台の生クリームとは違ういくつかの注意点があります。
でも乳脂肪分が少ない分だけばさばさにはなりにくいので
慣れると案外楽かもしれませんね。
いちごのショートケーキのようなしっかりした酸を感じるなら
生クリームは40%台のコクがあってもバランスが良いと思うのですが
メロンのように優しいふんわりとした味のフルーツには30%台の
クリームの方がバランスが良いような気がします。
ワタクシ、高梨乳業さんの生クリームに合わせる為の
スポンジケーキを作らせて頂いた折りに高梨さんに
「本当に正しい生クリームの立て方」を教えてもらったことがあります。
しっかり沢山の空気を抱き込んで軽い口当たりのホイップクリームになる様に
基本に忠実にホイップしたクリームでナッペ。
出来上がったショートケーキがこちらです。
ね?なんかメロンショートって良家の子女っぽいでしょう??

合わせた紅茶はウチでは珍しいイギリス紅茶。
フォートナム&メイソンのダージリンです。
これはY家のMさんのロンドンみやげ。
Mさん、日本に帰って来てデパートに行ったら買ってきた紅茶を
売っていてとってもがっかり!!とおっしゃっていましたが
そんなことないです。
いつもフレーバーティーを買ってしまいがちな私には
ダージリンって逆に新鮮で、そしてイギリスっぽくて嬉しかったです。
…そしてやっぱり美味しい!
良い茶葉はほとんどイギリスに先に獲られちゃったから
フランスではフレーバーティーが発達したと聞いたことがあります。
なるほどね〜!と思えるお味でした。
Mさん、ありがとございますー!

そして自由クラスのカリキュラムはフルーツタルトでした。
パートシュクレ・クレームダマンド・クレームパティシエールと
基礎クラスで覚えてもらいたいもの満載なタルトです。
作るアイテムが多くて教室で一度に全てをデモンストレーションすると
「私には無理!!」と思われるんじゃないかしら?と心配になりますが
パートシュクレもクレームダマンドも作り置き出来る素材です。
冷凍も出来るので、一日で全てを作ろうと思わずに数日に分けて作ると
気が楽になるんじゃないかしら?と思っています。
そしてしっかり焼き込んだタルトの土台とクリームがあれば
あとは好みのフルーツをのせるだけ!
今回は桃・巨峰・アレクサンドリア・アメリカンチェリーと
この季節に出てる私の好きなモノ大集合!!なタルトになりました。
今年はフルーツタルトも良家の子女っぽい仕上がりになりました。
今月もお教室にご参加くださり本当にありがとうございました。
来月の日程は
7月17日(金)11:00〜14:30 自由クラス
7月18日(土)11:00〜14:30 基礎クラス
7月18日(土)15:30〜19:00 自由クラス
自由クラスのカリキュラムは
「ジャースイーツ」です。
基礎クラスのカリキュラムは
ベイクドチーズケーキ&レアチーズケーキ
皆さまのご参加をお待ちしております。
ご予約、トライアルなどお問い合わせは
info@k-yanase.comまでお願いします。
ちょっとジャーづいているワタクシ…。
サラダはともかくジャースイーツは本を出しました。
こちらのご紹介もさせて頂きたいのですがこれはまた次回。
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