8月のお料理教室続編です。

アラビアン…っぽい…は達成できなかった気がしますが
今月のテーブルセッティングはこんな感じ。

Salade au Pasteque cuite,menthe et feta
焼いたスイカとミントとフェタのサラダ
え〜?スイカを焼くの??と生徒さん達は
お味の想像が付かないようで召し上がるまで不安そうでしたが
召し上がってからは「あ、美味しい!」と納得してくださいました。
ブラックペッパーと塩を効かせてスイカの表面だけを焼き色が付くまで
さっと焼くのですが、これがなんともクセになるお味。
ギリシャ風にフェタを添えてミントソースで頂きます。
一緒に添えたピーマンもソテーもスイカとの相性はばっちり!
夏のスターターにはちょっと楽しい一皿だと思います。

Cavier d’aubergines,Crevettes sautees au cumin,
et Shish-Kebab
茄子のキャビア、エビのクミン風味、シーシュケバブの盛り合わせ
前菜二皿目は盛り合わせです。
茄子のキャビアはフランスでは「貧乏人のキャビア」と呼ばれています。
なすのプチプチがキャビアっぽい…と言うのがその由来らしいですが
ワタクシ、本物のキャビアよりも茄子のキャビアの方が好きだったりして…。
はい、ビバ!貧乏人!!!です。
エビは味付けがしっかりしているので冷凍のブラックタイガーなどでも
充分美味しく頂けるのが嬉しいです。
前日にマリネしておけば当日は焼くだけ。
シーシュケバブは今回のメニューの中ではハイライト的な存在。
私渾身のレシピです。(大げさ)
シーシュケバブはシシカバブのこと。
北アフリカからインドなど中央アジアまで広範囲にとてもポピュラーな
この挽肉料理。地域によって呼び名が少しずつ変わり
入るスパイスも少しずつ違うようです。
骨付きで買ってきたマトンを粗めのミンチにするところから
自家製ラセラヌーなど秘伝のスパイスをあれこれ調合して
お気に入りの味を作りました。
日本のレストランで食べるシーシュケバブは私にはパンチが足りず
いつもちょっと欲求不満に陥るのです。
もっと現地のようにがつん!とスパイスを効かせて…と試作を重ね
やっとお気に入りの味に辿り着きました。
案外難しかったのがその匙加減。
スパイスって入れすぎると苦みが出ちゃうのです。
この前菜の盛り合わせは全て前日仕込みで作れます。
おもてなし料理は当日慌てないように前日仕込みのものを
組み合わせると気持にゆとりが出来て楽だと思うので
そういうお料理を必ずメニューに入れるように心がけています。

Ghormeh sabzi
ゴルメサブズィ
こちらはイランの家庭料理です。
乾燥レモンを使ったお料理を紹介したくて選んだメニュー。
子羊の肉と金時豆のた〜〜〜〜っぷりの香味野菜を煮込んだ
カレーっぽいお料理…と説明しましたが、カレーとは違います。
見た目よりもあっさりとしたお料理なので
夏には向いていると思います。
今回は骨付きマトンの骨を使って取ったフォンで煮込みましたが
たっぷり入っている羊肉から良いお出汁が出ますからここは水でも
充分なお味が出ます。
乾燥レモンの風味が爽やかな風味と微かな酸味で全体をまとめてくれる
ちょっとクセになる美味しさがあるのですが写真が暗めで
内容も見にくいし、第一写真じゃこの美味しさをお伝えできないのが残念!
このお料理にはイランのミックススパイス「アドヴィーエ」を使うのですが
内容はマグレブ地方の「ラセラヌー」ととても似ているので
今回はラセラヌーで代用しました。
ラセラヌーも各家庭ごとに入っている内容が微妙に違ったりするので
きっとアドヴィーエもそうなんでしょうね。
添えたのはバスマティライス。一部サフランで風味と色を付けて
干しぶどうも合わせました。

Creme de semoule a la fleur d’orange et cardamome
クスクスのクリーム
オレンジフラワーウォーターとカルダモンの香り
クスクスを甘く炊いたものにオレンジフラワーウォーターと
カルダモンとバニラビーンズで風味を付けたものと
オレンジのコンポートを合わせたデザート。
これは伝統的なデザートではなく、新しいデザートだと
数年前に行ったParisで友人のモロッコ人のパティシエールに
教えてもらったものをアレンジしてみました。
彼女が作ってくれたのはイチゴとバラの風味だったのですが
私はカルダモンが使いたくてオレンジと合わせてみました。

合わせたワインは今回はこちら。
ギリギリまでメニューに悩んでいたものだから
いつも相談するインポーターさんに連絡する時間が無くなり
今回は自力セレクトとなりました。
お教室で普段設定しているワインのお値段よりも
今回はちょっと贅沢。
悩んだのはゴルメサブズィさんに合わせる赤ワインです。
羊肉だし、スパイシーだし、しっかりしたワインよね!とは思いつつも
乾燥レモンの酸味とタンニンってちょっと心配…と
何故こんな難しい時に限って、インポーターさんのお力を借りられないの?と
自分で自分の段取りの悪さを恨みます。
ショップのソムリエさんに味の説明をしつつ、希望を言いつつ
何本かの候補を出していただくのですが、
ソムリエさんだって「ゴルメサブズィ」なんてどっかのおぢさんみたいな
名前の料理、ご存じないから困っちゃいますよね。
迷ったときは「ジャケ買い」程度な浅はかな知識のワタクシ。
赤ワインはほぼ賭けでしたが、これがなんとも大成功!
(悪運の強い自分を褒めてあげたい!)

二ヶ月にわたって夏に負けないエスニックなお教室にしましたが
どちらもとても評判が良く、すっかり気を良くしてしまった私。
またお料理で異国情緒を味わえるように色々研究しますね。
今月もいらしてくださった皆さま。
本当にありがとうございました。
そして早速再現してくださっているご様子、嬉しく思います♪
また次回のお教室も美味しく楽しいひとときを過ごせますように
頑張りまーす。